深夜、借りた車、どこからともなく聞こえるうめき声😼
♬ (ノ´ω`)ノ 記事のトピック (,,•ω• و( و" ♪
車内、水滴の音、うめき声
秋、残暑も落ち着いた季節のこと。
友人と鍋を作り、食べた。
鍋も良い季節になってきたな。
そんな話を交わしながら、ゲームを始めた。
忍びになり、暗殺を繰り返す「天誅」。
周囲に気を巡らせ、瓦に登る。
下には警備の男。
息を殺し、タイミングをはかる。
「ふぁ~~~~~」
男の間の抜けたあくびが響く。
舞台は夜中。リアルも夜中。
音もなく、屋根から背後に降り立つと同時に葬った。
「グォキッ・・・プシューゥ・・・」
血しぶきが舞い散り、
断末魔もなく崩れ落ちる男。
さて、腹が減った。
友人の車を借りて、24時間営業のスーパーへ。
エンジンをかけ、車体がゆっくりと動く。
人通りの少ない深夜、窓から入る風が心地よい。
「・・・うぅぅぅ、、、あぁぁぁ、、、」
唸り声が聞こえた・・ような?
酔っぱらいでも倒れてるのか?
気にせず進む。
「・・・ピチッ・・ピチョン・・」
ん?水滴の垂れる音。
フロントガラスに水滴が・・無い。
どこか故障なのか?友人の車でそれは困る。
「・・あ”ぁぁぁぁあ”あ”あ”あ”あ”あ”!」
突然の唸り声、背筋が凍る。
左後ろ付近から突如聞こえた唸り声。
気づけば、周囲に車は1つもない。
左前方、赤信号の下に髪の長い人が1人たっているだけだ。
『気のせいだよな?うん。』
「う”・・う”ぁぁぁぁ・・・ぁぁぁ」
妙な金属音や水の音、うめき声を聞きながらスーパーに着いた。
購入したのは飲み物と菓子。
袋を後部座席に置いて、帰路へつく。
「うううううううううぅぅぅぅ・・・うううううううぅぅぅぅぅぅ・・・」
サイレンの音が響きだした。
肩甲骨の間、変なところに力が入る。
奇しくも、先程の信号に止まった。
横断歩道を渡る人はいない。
髪の長い人も姿を消していた。
何事もなく信号を越えた。
「ジッ・・・ジジジッ・・・」
CDプレイヤーの読み込み音を最後に、音が消えた。
うめき声も、水の音も、サイレンの音も。
『・・・リーンッ、リーンッ・・・ザザッ・』
静寂。
虫の音、葉の擦れる音だけが響く。
何だったのか。
心拍数は高鳴りっぱなし。
友人宅の駐車場に着いた。
バックで車を止める。
『ふぅ・・・』
スーパーの袋を取ろうと振り返り、
手を伸ばしたその時。
「コンコンッ・・・コンコンッ・・・」
窓を叩く音。
嫌な予感がした。
袋に手をかける。
「ガチャッ!」
運転席のドアが開いた。
反射的にドアを閉める。
「いってぇぇ・・・なんで閉めるんだよ!」
「いや、いきなり開いたから。。」
そこには友人が立っていた。
部屋に入り、事の顛末を話した。
妙な音、髪の長い人のこと、、
友人が心当たりを話し始めた。
その信号ではかつて、交通事故があったこと。
運転者の情報はわからないこと。
死亡事故ではなく、ただの物損であったこと。
二人で顔を合わせる。
テレビを見ると、悶える男が息絶えた。
「なにやつ!?」
抜刀した男が走り寄る。
そのとき、ハッとした顔で友人が車に走った。
戻ってきた手にはCD。
「サイレン」のサントラを持っていた。
今週のお題「ゾッとした話」